Vol.20 2020年5月20日発行
森のECHICAはじめましょう
緊急事態宣言の自粛要請により、街から人が消え、園庭から子どもの声が消え、医療機関は感染症の脅威に立ち向かい、政治も経済も足踏みしています。
人類の慌てふためく姿をよそに、山並みは日を追って膨らみ、蟻は日向を行き来し、鳥は巣作りと、それぞれ余念がありません。そして不自由な中でも笑い、泣き、お腹がすく人間です。
日本で初めてこのウィルス(COVID-19)感染者が発生した日に、奇しくも認定NPO法人の新名称が整いました。森のECHICA(エチカ)です。
16世紀のオランダの哲学者、バー・ルーフ・デ・スピノザが著した「ETHICA」(倫理)に由ります。自然の法則に学んでいくことを団体の冠に致しました。自然の法則は、自分のために生きているようで他者のために生きていること。他社が私のために存在してくれていることを忘れてはならないこと。わたし達の能動は錯覚であり、むしろ多くの自分を取り巻く中動の存在であり、その中道を見誤ることが、どれだけ幸せを遠ざけ不自由をもたらすか。壮大な名前は恥ずかしくもありますが、12年取り組んできて、もうその思いで溢れているわけです。
NPOの活動は常に理念に立ち返れと言われます。忘れっぽいから理念を名称に入れて、「解ろう」と思いました。そうして、その姿で子どもたちの善い中道が現れる環境を目指したいと思いますので、引き続きよろしくお願い致します。
さて、コロナウィルスに関する情報が飛び交う中でも中道を見つけたいと思います。そこで歴史は重要なファクターになります。地球の最善の利益のために何ができるかを「考え」、いずれの専門家でなくても、選択する自由を手放さずに生きることは、それが社会の、家族の、わたしの最善の利益になると思います。きっとそういうふうにできています。
原発事故でも気候変動による災害でも変わらなかった価値観と行動様式がこのパンデミックの後に生き残ることができたら、今度こそ大転換できることを期待します。
一番恐れるのは、自然から幸せの種をもらったことを、また忘れてしまうことです。
森のECHICAどうぞご贔屓に