Vol.26 2024年2月20日発行
「井椋がっこう」募集要項
ある日の朝の会で、年長さんがパン作り体験の感想を伝え合った時のことです。その日に参加していた小学校2年生の男の子が園児の言葉を受け、手を挙げて発言しました。
「それはとても楽しかったのだろうけど、そのことはそれだけじゃなくて記憶に残るから」
当NPOでは、幼児期以降の人の発達や暮らしを見据え、2011年に不登校ニート・引きこもりの居場所として「かなりや」を開設し、その後2013年に秩父市吉田に多世代交流拠点として「ゆいっこ」を創りました。
ここでは子ども食堂や小中学生の学習支援を行い、県外や多地域からたくさんの方にご利用いただきましたが、諸般の事情で開設は週2日でしたので開設日を問わないSNSで相談をフォローしたり、花の森こども園を学校に代わる居場所として提供し、学校に行きづらい児童生徒を対象に、学習サポートや体験活動を行ってきました。
そして2024年度からは、ついに専従の職員を置いて月曜から金曜まで開設することにしました。
それが「井椋がっこう」です。
効率と物質的な豊かさとポジションを求める社会的背景を背負う中にあっても、人が人に成ることを充分待つことはいろんな仕打ちに耐え、時に荒ぶりますが、期待を裏切ることなく恩恵を与え続けてくれる自然界の営みに似ています。長い冬の寒さがあって、緩んだ土を持ち上げる小さな芽吹きを失ってはいけないのと同じです。
「井椋がっこう」は6歳から何歳でも学べます。先生はいません。テストはありません。卒業しても資格はとれません。即戦力はつきません。社会の求めは脇に置いてます。ゆったりと人や自然との対話を通じて、興味関心に添った体験から生涯の糧の一粒となるような想定外の仲間との記憶が刻まれる珍しいがっこうにしたいと思います。
メンバー大募集です。