Vol.29 2025年8月20日発行
間 合 い

人間は裸で生まれてくるので森羅万象、他者との関係性の間合いを生まれた時から探求します。その都度、トライ&エラーを繰り返して、間合いは自在性をもつのではないかと思いますそして、この間合いは組み合わせによっても様々変化します。
お盆明けの『早朝』、園庭でチャボが『オオタカ』に襲われて絶命しました。狩りの名手が相手では、歯が立ちません。チャボは四散し、茫然と立ちすくむもの、藁小屋の隙間に隠れるもの。一羽一羽抱き留めて、安全な土間に戻しました。(いきもの小屋が夜間も34℃を超える『猛暑』のため、生き物たちは園舎の土間に居ます。)そして探せど探せど、あと1羽の姿が在りません。最悪なことが頭を過ります。苦しくて、胸が縮こまる状況のまま、子どもたちを迎え、お昼ご飯も喉を通りません。
その時土間のチャボが『聞き覚えのない鳴き声』で激しく鳴きました。私は『奇異に感じて』駆けつけ「二人いないね。悲しいね」となだめていると、やはり落ち着かない心持ちのクルーと永ちゃんも「どうした?もう大丈夫だよ」とやってきて『4人で』チャボを覗きこんでいましたら、突如、永ちゃんが『還ってきた!』と叫んだのです。
永ちゃんの言う方に目をやると黄色いドアの両脇にはめてある『ガラス』の向こうに、中に入れてと行ったり来たりしている『チャボの姿』がありましたこの猛暑の中、5時間もの間いったいどこに身を隠していたのでしょう。口はハァハァと開けっぱなしで息をつき、ハンチング帽のように羽をまとめて脇をひらき、足早に必死で還ってきたのです。みんな抱き合って、泣いて彼女の無事を喜びあいました。
帰りの会では、心を落ち着けて、子どもたちとチャボの受難について対話がされました。
「チャボがかわいそう」「オオタカも子育て中?」「やっつける」「撃っちゃえばいい」・・
ハラハラと涙を流して聞いていた子が口を開きました。
『でも・・・実はねぇ・・そうやってやり返していたら、おとなの戦争と同じになっちゃうんじゃない?』
さて、明日からどんな間合いで生きていきましょうかね。
『終戦から80年目の夏と一羽のチャボに』 合掌
代表理事 葭田 あき子