top of page

Vol.15 2017年10月31日発行

〜環境観〜 なんとなくなんとなく宿ることの確かさ

Vol.15 2017年10月31日発行

 花の森こども園は10年の節目を迎え、理念達成に向けて、進むべき道にしっかりと舵取りをしていきます。その羅針盤となるのは「幼児期からの環境教育」です。
 7月1日に花の森10周年記念事業「よりよく生きる子育ち・親育ち」に大阪大谷大学の井上美智子氏、長野県次世代サポート課 竹内延彦氏、虔十の会 坂田昌子氏をお迎えして行われました基調講演、並びにシンポジウムは、花森は幼児期から環境観に帰依する生活を主眼に据えるという宣誓の日であると私は捉えています。
 命が始まったばかりの子どもたちが深遠としたところに命のつながりや誰のものでもない自己を疑うことなく宿していくために、私たちは何を選択したら良いのでしょうか。
 大人は、家庭でも社会でも迷いの中にあって、耳障りの良い主体性と称して子どもの機嫌が教育方針であったり、忖度や馴れ合いに倣っていると、その選択を誤ってしまうでしょう。
 自然という命の循環を修めて、誰のものでもない自己、そして誰のものでもないあなたを愛しく思えたら、力まなくても、無自覚な英断が瞬時に降りてきて、そしてその説明がつく。そんな生き方ができる人が育つと踏んでいます。
 秋蚕を育てています。寒くなったので暖かい2階に飼育場を移してやりました。そしたら音を立てて桑を食べるようになりました。命は正直です。さぁ、運動会の練習ではなんと!山羊のすみれとリイサも子どもたちと一緒です。子どもたちに倣って入場も表彰もやっているという、摩訶不思議な情景です。
 かといって何でも一緒にできるわけではありませんが「違い」を受け入れ、微笑ましい時間を子どもたちと共有しています。命は正直です。一人一人違う仲間と、なんとなく、なんとなくほっこり、しあわせな時間を創っていこうと思います。

bottom of page